メアリと魔女の花を制作したスタジオポノックの最新作「ちいさな英雄」を見てきました。
この作品は「3つの奇跡の物語」と言うことで、3本の短編作品で構成されています。
今回はこの映画を見た感想を書いていこうと思います。
ちいさな英雄 -カニとタマゴと透明人間ー
上映時間は52分
まず見る前に知っておいてほしいのは、上映時間が52分しかないと言うこと。
3つの短編作品を上映するには短すぎる印象を持ちました。
実際に映画が始まってから終わるまでもアッという間に思えるはずです。
▼『ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―』予告▼

カニーニとカニーノ
ストーリー
虹色のトンボが舞う川底に、サワガニの家族が暮らしていた。
父トトと兄カニーニ、そして、甘えん坊の弟カニーノ。
巨大な魚たちから隠れてひっそりと暮らす3匹を、ある日、大嵐が襲う。
間一髪でトトに助けられたカニーノ。しかし、巨大な泡の塊は、トトを飲み込み、濁流の彼方へ連れ去ってしまう。
カニーニとカニーノは、父を探して生まれて初めての旅に出るが・・・。
人間のすぐ傍らにある世界で、家族を求めた、ちいさな兄弟の大冒険が今、はじまる。
「初めての冒険で苦難を乗り越えてお父さんを探すんだろうなぁ」ってイメージをさせるストーリー紹介ですが、実際の所は肝心の冒険シーンは一瞬です。
あっけなく父親も見つかります。
「初めての冒険劇をこんなに簡潔にまとめていいのかな?」って思いました。
世界観も「何故この世界観にする必要があったんだろう?」と思うばかりです。
短編にしたから下手に凝縮しすぎて内容がペラペラかな。
キャラクターのセリフも二言三言で「キャスティングした意味あるのかな?」って思いました。
短編では短すぎますし、長編だと話が持たない内容なので、その間くらいでカニーニとカニーノを見てみたいかな。
あとカニーノがどうみても妹にしか見えなかったのは超個人的感想です。
サムライエッグ
ストーリー
東京・府中市に暮らす少年シュンは、野球好きで元気な小学生。
ダンススクールで働く母は、そんなシュンを温かく見守りながら育てている。
しかし、シュンにはひとつだけ友だちと違うことがあった。
彼は生まれた時から極度のたまごアレルギーに悩まされていた。
ある日、野球の練習から帰ったシュンは、母の留守中に誤ってたまご入りのアイスクリームを口にしてしまう 。
突如、シュンの身体に異変が起きる。
そのとき、シュンがとった行動とは・・・。
実話をもとに描く母と少年の愛と感動の人間ドラマ。
食物アレルギーがいかに大変なのかをサムライエッグを通して知ってもらいたいって事は分かりました。
見ていて「食べ物がその人にとっては最大の毒となって命の危機にまで陥るんだな」って食物アレルギーに対しての向き合いがいかに大変だと言うのは伝わりました。
冒頭のシュンが抜けた歯をどうすればいいのか母親に聞くシーン。
「下の歯は屋根に向けて投げる」と聞いて向かいの米屋の屋根に投げるところは、子供はそう受け止めるかもねって納得させられました。
でもちょっと気になるのは公式HP上のストーリー紹介。
見た人がこれを読むと「説明しすぎ」って思うかも。
あと感動ドラマってあるけど、やっぱり短編でストーリーが凝縮されているので感情移入する前に終わってしまうのが残念かな。
透明人間
ストーリー
古ぼけたアパートに暮らす、一人の青年。
ワイシャツを着て、歯をみがき、めがねをかけて、いつものとおりに家を出る。
しかし、何かが違った。彼は透明人間だった!
だれも彼のことをが見えない。
コンビニの自動ドアも、ATMすら彼を認識しない。
透明人間はついに重力からも見放され、次第に空高く舞い上がっていく。
このままだと消えてしまう、いのちも・・・。
都会の隅に生きる見えない男のたった一人の闘いを、スペクタクルアクションで魅せる究極の野心作。
ハッキリ言って、この作品はいらなかったんじゃないかな。
見ていても意味が分からないし、見終わった後に改めてストーリーを読んでも意味が分からない。
この作品の時間を他の2つに割り当てれば2つの作品が活きたように思える。
感想としても特に何も浮かばないかな。
強いて言うなら「何だったんだろう」って感じです。
スタジオポノック、やっちまったかな?
メアリと魔女の花も感想としては賛否両論あったものの、しっかりと魔法・冒険と言った感じの作品にはなっていたのに、今回はやっちまった感が半端ない。
そもそも2作品目で「短編集ってどうなの?」ってところもある。
スタジオポノックを応援する意味で映画館まで足を運んで見てはいたものの、そこまでする価値は無いかな。
次かな。次にどんなものを放り込んでくるかでスタジオポノックの評価が変わる気がする。
だから次の作品に期待して私は待とうと思います。

おわり