少し前まではインディーズゲームってパソコンで遊ぶものと言う印象が強かったと思います。
しかし最近だと家庭用ゲーム機に多くのタイトルが移植されるようになってきました。
今回紹介する「The Town of Light」もインディーズゲームの1つです。
独特の世界観とゲーム内容を多くの方に知ってもらいたいので紹介してこうと思います。
The Town of Light
元はSteamで配信されていたThe Town of Lightがクロスファンクションより2017年10月27日にPS4版として発売されました。
このクロスファンクションは海外のインディーズタイトルをローカライズして販売している会社です。
*ローカライズとは、その国の言語などに仕様変更すること
ローカライズされたことで音声に日本語が追加されています。
販売方式はDL版のみとなっており、価格は2700円で発売中です。
舞台は実在する病院
このゲームの舞台となるのは欧州に実在する巨大精神病院です。
「実在する」と聞くだけで現実味が増すので、内容にも期待が持てます。
ストーリーも実際に起きた出来事に基づいて作られているので、設定としては最高の構成ではないでしょうか。
▼【The Town of Light - Teaser + Gameplay】▼
16歳の少女の記憶
主人公はレネー(左側)と言う16歳の少女で、彼女は元々この病院の患者でした。
このゲームでは、彼女がこの病院で過ごした日の記憶をたどり、真実に再び向き合うことを目的に進行していきます。
不快感と芸術を演出
ゲームをスタートすると、このような注意事項が出てきます。
The Town of Lightは実際の出来事 場所 精神疾患の研究に基づいており、
20世紀前半における精神科病院の患者の人生を描いた物語です。
このゲームは気分を害する可能性がある表現を含んでいます。
登場する人物・団体・名称は架空のもので実在のものとは関係ありません。
ゲームにおける劇的演出のため過去のイタリア精神医学会に対して芸術的な解釈をしています。
現代の精神医療は世界中で劇的に改善されていることをどうか心に留めておいてください。
もしあなたが精神的な問題を抱えている場合は医師や専門家にご相談ください。
普通のゲームではあり得ないような注意文に遊ぶことを躊躇してしまいそうですね。
気分を害する可能性がある程の過激な表現が含まれているわけですが、それは劇的な演出として扱われ、イタリアの精神医学会からは芸術として扱われているようですね。
芸術には色々な表現があるので、このゲームの演出もその中に含まれるんでしょうか。
今と昔では治療方法も全く違いますから、歴史を追うような形で医療の進歩もこのゲームで理解してほしいと言うことでしょうか。
同じように何らかの精神的問題を抱えている人がこのゲームをプレイした場合、問題が起きてはいけないと言うことから医師と相談してから遊ぶようにと言うのは、大げさな表現なのか本気で言っているのか。
このゲームは生半可な気持ちで遊んではいけないような気がしてきましたね。
とにかく暗いゲーム
演出の1つとして受け止めるべきでしょうか。
遊んですぐに感じたのは、「想像以上にストーリーが暗い」と言うことです。
そのストーリーに合わせてなのか、ゲーム画面すら常に暗いゲームとなっています。
舞台が廃病院なので電気が通っていないにせよ、暗すぎます。
あまり暗い内容のゲームを遊んだことがない人だと、始めてすぐに気が滅入ってしまうかもしれません。
ゲーム中で調べるアイテム1つ1つに関しても、お世辞にも明るい印象が持てるものには見えませんね。
セリフ周りも狂気を感じるものが続きます。
グロテスクではなく芸術
こうした暗いゲームに付き物なのはグロテスクな描写の数々だと思います。
ゲーム中でも妙にリアルに描かれた解剖図が載った医学書を調べるシーンが出てきます。
人によってはこれをグロテスクと感じるかもしれません。
しかし医学や芸術的観点から見れば、人類の神秘として芸術に含まれるのではないでしょうか。
グラフィックは美しい
インディーズタイトルでここまでグラフィックが綺麗なのは大したものだと私は思いました。
細かな所まで気が配られていますし、粗い部分も目立ちません。
わざと荒く作り、ダークな世界観を演出する作品もあります。
でもこのゲームはその逆を行った作りになっていると思います。
ゲームをプレイした簡単な感想
ゲームの紹介はこれくらいにして、ここからは実際にプレイしてみての感想を簡単に書いておこうと思います。
移動は「歩き」のみ
このゲームでの移動手段は「歩き」のみになります。
走ることができないので、テンポよくゲームを遊びたい人にはオススメできないですね。
このゲームだけに限らず、他のタイトルでも言えることですが、移動が遅いゲームはエリアが広くなく、内容としても長くないものが多いです。
その分、しっかりとゲーム内容を受け止めることができるので歩きで良かったと遊んでみて思いました。
迷うことない進行
このゲームの進行は1本道となっているので迷うことはありません。
仮に迷ったとしてもヒントが用意されているので、そのヒントに従ってプレイすれば進行につまずく事はないはずです。
今のゲームはプレイヤーが自由に動き回れるものが多いので、こうした進行が決められたルートしかないタイトルも遊ぶ人を選ぶかもしれません。
マルチエンディング
このゲームは一本道ながらも、道中選択を迫られるイベントが発生します。
この選択肢で何を選んだかによってエンディングが変化する「マルチエンディング方式」を採用されています。
ゲームの進行は1本道ながら、マルチエンディングで色々な結末が用意されているのはプレイヤーを飽きさせない演出だと思いました。
グッドエンディングと言うべきでしょうか、真実を求めて遊びたいですね。
ここで少し注意事項として。
PS4版ではトロフィーが用意されています。
このトロフィーの解除条件にゲームのネタバレが含まれているものもあるので、ある程度満足してからトロフィーの内容を確認することをオススメします。
暗い内容のゲームが好きならオススメの1本
このゲームを1周遊んでみましたが、本当にこんな暗い内容のゲームは久々にプレイしました。
ゲームの内容としては短かったです。
一気に遊ぼうと思えば遊べたかもしれませんが、私は途中で気分が悪くなり途中休憩を入れつつのクリアとなりました。
このゲームは「面白いのか?面白くないのか?」と聞かれたら、「そんな次元のゲームではない」って答えますね。
何とも言えない不思議な感覚に襲われるゲームでしたから。
PSやSSで発売された、「Dの食卓」や「マリア」のようなゲームが好きな人は楽しめる作品かもしれません。
メンタルが強い人や、精神医学の歴史を知りたい方は1度プレイしてみてはどうでしょうか。
る〜子のおしまいコメント
いかがだったでしょうか。
今回はPS4で発売されているインディーズゲーム「The Town of Light」を紹介しました。
ゲームで昔の医学を学ぶと言いましょうか、実在する舞台で起きた出来事を描いた内容で、本当にこんな事が有ったのかと思うと恐ろしいですね。
インディーズゲームだからこそできた作品なのかもしれないので、これからもこうした風変わりなゲームで遊べたらなと思いました。
おわり